馬との信頼関係を大切にしたウィッシュホースコミュニケーションズの調教方法をご紹介します。
ここでは新しく入厩した1才馬の健康管理と、初めて人を乗せるための鞍付け調教方法をご紹介しています。ご参考になれば幸いです。
6月23日(木)入厩。
朝8時に家畜車でやってきた。
洗い場に入らず、バックで入れる。馬房にも入らず、バックで入れる。
洗い場で落ち着きなく前後左右に動き回る。特に前に突進する。一回立ち上がった。
すごく痩せている。肩甲骨、き甲、肋骨が丸見え。
眉間と左前肢外側に大きめのケガ。
丸洗い、シャンプー、消毒液全身消毒、トリミングなど。
肢に水をかけた時に驚いて暴れた。
顔拭きあたりから徐々におとなしくなってくる。
水をたくさん飲んだ。
引き馬ではなかなか前へ歩かない。
目ヤニがひどく出ているので目薬での治療開始。
横目で人を見る。馬房に近づくと後ずさりして馬房の後ろの方へ行ってしまう。
6月24日(金)
午前中、昼、午後に手入れと治療。
馬房への出入りは出来るようになったがとても嫌がる。
抗生目薬で眼病治療。(のちに他の馬にも感染拡大してしまう)
洗い場で人が隣にいなければ落ち着かない様子。
肢を触っても嫌がらなくなってきた。
肢はなかなか上げようとしないので裏掘りは大変。
昨日よりは少しだけおとなしくなってきた。
6月25日(土)
午前と午後に以下のセットを行う。
洗い場まで引き馬。ゴー・ストップ。
ブラシかけ。たてがみと尻尾も。
肢上げ。裏掘り。
顔拭き。虫除けスプレー。
目薬。
アイコンタクトとモグペロを少ししてきた。
7月4日(月)
少し間が空いて久しぶり。
全日本に行っている間に、また人見知りに戻っていた。
パドックに出して放牧に出ている他の馬と初顔合わせ。落ち着いていて仲良くしていた。
丸洗い、フル手入れ。
次第に落ち着いてきてびくびくしなくなってきた。
でも馬房にいるときに近づくとやはり下がってしまう。
7月6日(水)
今日もパドックと放牧場でみんなと顔合わせをしてから、初めて放牧に混ぜてみた。
みんなに追いかけられるが、体力がないため、素早く逃げられない。3分程度で終了。早々に引き離す。
もっと放牧場に慣れて、体力がついてからまた一緒にすることにしよう。
はじめての四肢削蹄を行う。体力もなく教えてもらってないようなのでじっとしていられない。
四肢とも蹄叉腐乱がひどい。
7月7日(木)
AMパドック、PM放牧場で放牧。
今日はブラシかけを重点的に。
ものすごいいっぱい毛が抜ける。
入厩して2週間でほんの少し体質が変わってきたように感じる。
顔や肢や各所のケガがだんだん治ってきた。
引き馬は今までのよろよろ歩きよりは少しだけ速く歩けるようになってきた。
肢を触ったり上げたりはできるようになったが嫌々で、合図によって自分から上げることは出来ない。
7月8日(金)
奥の放牧場に放してもぜんぜん走らない。体力も筋力もなさすぎ。
馬房でも時間をかければ逃げずに無口をつけられるようになってきた。
目ヤニがなかなか止まらないのでシャワーで長時間かけてしっかり目の洗浄。その後いつもの目薬をする。しばらくこの洗眼を続けようと思う。
7月9日(土)
雨。
蹄叉腐乱部分を括削。
馬房の使い方に法則性が出てきて、掃除が楽になってきた。
汚すのは右奥のみ。
ボロもおしっこも位置をまとめてくれるようになった。えらいぞ。ありがとう。
7月10日(日)
手入れのときに人を受け入れるようになってきた。
左前肢を含め怪我の治りが異様に遅い。新陳代謝が悪いことがわかる。
蹄叉腐乱がひどい。
しばらく手入れの最後に、蹄叉側溝最深部に注意して消毒をしっかり。
7月13日(水)
今日は伝貧検査。
採血おとなしかった。
放牧場で放牧。小雨で濡れたので丸洗い。
簡単フル手入れ。
ガリガリの肋骨が痛々しい。
肢を上げる時、合図で自分から協力して上げるときがあった。嬉しい。
まつ毛とひげを再度カット。
飼い付け後、飼料を食べている時に撫でようとすると少し耳を絞って下がってしまうので、時間をかけて理解を得る。じわじわ説得してようやく食べながら撫でさせるように納得してもらえた。飢えている子はいつも自分の食事に手を出されることを嫌います。
鼻を撫でるあいさつも次第に出来るようになってきた。嬉しい。
今日は奥の放牧場で二三回尻ッぱねをしていた。いいね。早くもっと元気になりますように。
7月15日(金)
今日は朝から雨のため放牧はなし。
午前中にメンバーさんとフル手入れ。
やはり肢は自分から上げるようになってきている。えらい。
昨日目をよく洗ったからか、今日放牧をしていないからか、あまり目ヤニが出ていなかった。
顔を拭くときにたまにうっとりしてくれる。これで拭き終わった時にモグペロしてくれたらいいのにな。残念ながら今はこんな疑わしい表情が普通。
おしりふきは大人しくさせてくれた。連日こまめに削蹄。
7月16日(土)
毎日一頭ずつ誰かと一緒に放牧する。
ダンスのパートナーが変わっているみたいに。自己紹介しあってね。
放牧場でブラシかけ。
じっとしていておとなしい。
親和性を大切に、信頼関係を作る。
いい子だね。可愛い。
7月17日(日)
放牧。
まずはロイと二人で。
しばらく大丈夫なのを確認後、アールを投入。
しばらく大丈夫なのを確認後、スフレを投入。
大丈夫だった。
じっとしていると、用心しながら寄って来てくれる。
いい感じ。
手入れ。あいかわらず毛がいっぱい抜ける。黒い毛が抜けているようなので、なんだか色が薄くなってきた。
汗こきをかけると肋骨がごりごりするのが痛ましい。
削蹄をした。右前と左後ろの蹄叉腐乱がひどい。消毒継続。
引き馬のとき少し速く歩けるようになってきた。
何でもないときは後ろに下がらないので、鼻チョンあいさつができたときはすごく楽しい。
7月20日(水)
パドック放牧。
後半、放牧場でモカちゃんと一緒に放牧。
お互いにおとなしい感じだった。
今日は放牧場で一回、すごく走って跳ねているのを見た。体力ついてきたかな、いい感じ。
身体は洗わず、シャワーで顔と目だけ洗浄。
蹄底、完璧手入れ、消毒。
ブラシがけ、顔拭き。
肢はもうほとんど合図したら自分から上げてくれる。すごい!
7月21日(木)
右前肢の蹄叉腐乱。
一番ひどい。
両サイド痛々しいが、向かって右が特にひどい。
腐乱した部位がやっとなくなった。
中身の肉が露出している。奥の方まで空洞が続く。神経までぎりぎり。
今日よりヨウ素系塗布剤FRパスタを使用する。
左後肢はやっとふさがり始めたところ。左前肢と右後肢はやっとふさがって修復経過中。
7月22日(金)
目ヤニの出方が以前より良くなった。
しかしまだ止まらないので洗浄継続中。
シャワーの水を中くらい出してほっぺたからそっとかけ、目の上に行く。
目にかけながら、上まぶたを持ちあげたり、下まぶたを下げたりして、眼球とまぶたの裏を洗う。
7月23日(土)
今日はやっと全頭と一緒に放牧。
エーちゃんのいいおもちゃになっていた。でもちゃんと手加減されていましたよ。
7月25日(月)
今日は全身丸洗いでピカピカフル手入れ。
あばら骨の出具合が減ってきましたね~と皆さんに言われることが増えてきた。そう?
私のことを目で追うようになってきた。…ように感じる。
肢上げはほぼできるように。
「上げて。」って合図を出すと少し遅れて自分から上げるようになってきた。すごい。
削蹄をした。だんだん蹄の形が良くなってきた。
私の両太腿で肢をはさむのもOK。装蹄師さんに装蹄を頼む前に、こういうことを調教しておくことが大切です。
7月28日(木)
ウィッシュでの初めての馬運車。
彼が初めて馬運車に乗ったのは北海道から来るとき。
それがトラウマになっていなければいいけれど。
大丈夫だった。あー良かった。
7月29日(金)
今日も馬運車調教
昨日は中で回転して頭から降りたけど、今日は回転せずにそのまま後ろ下がりで降りる。
いいリズムのステップで怖がることなく降りることができた。
今は回転できるけど、きっと彼は大きくなるだろうからその時に備えて後ろ下がりで降りるのを教えていこうと思う。
土手へお散歩。これもどんどん教えなきゃ、ということで暑い中行ってきました。
7月30日(土)
放牧場にお迎えに。
あらーかわいい。
二ヶ月前にさんざん逃げ回って触れることも出来なかった馬とは思えない。
手入れ中に「良い子にしてる?」って聞いたら、
「ちょーいい子です!」って。
馬運車もOK。
投げ草のあとすっと手を差し出しても、そのまま受け入れてくれた。
通りかかったときに鼻チョンあいさつをしたあと、振り向くとずっと目で追ってくれている。
馬房でじっくりなでなでをしているときに、はっきりとモグペロをしてくれた。
この子の精神はもう大丈夫だと思った。
7月31日(日)
馬運車。
土手へお散歩。下りで飛び降りるので、やり直ししてゆっくり一歩ずつ下ろさせる。
まだ肋骨は見えるが、昔の写真と比べると縦の範囲が狭くなったよう気がする。昔はもっと上の背骨から下のお腹まで肋骨が見えていたが、いまは真横だけになってきた。
馬体もすごく光沢が出てきた。
全体的に大きくなったように感じる。
目の動きも昔と全然違う。
手を伸ばした時も、横目で避けたり後ずさりすることがなくなり、じっと喜んで顔のあちこちを撫でさせてくれる。
あと、引き馬のとき前へ引いたらその耳の後ろの圧力で前へ歩きを早めるようになってきた。まだ体力が無いようで(昔よりはついてきてるが)放牧を2、3時間するとすぐにバテて早く歩けなくなってしまう。
馬に触れ合ったり手入れする人に気をつけてほしいこと。
・愛情を教えてほしい。
・善悪を教えてほしい。
・あなたの尊厳を大切にしているよ、ということを教えてほしい。ちょっとしたことでも無理強いはしない。動きを止めて、待つ。
・目や馬体をよく観察して、馬の気持ちや健康を把握してベストへもっていってほしい。
8月1日(月)
これは初めて来た日の写真。
みんなが大きくなった綺麗になったと盛んに言うけど、そうかな~?
これは昨日の写真。
ほんとだ!
光沢が!
肉付きが!
首と肩の太さが!
バン、バン、バン!ですね。
毎日見ているとわからないものですね。でもまだまだです。来たときからあった傷も蹄叉腐乱もまだ治りきらないし、あばらは見えるし。
この子の細胞を顕微鏡で見たときに、ひとつひとつが生命力でキラキラしているような、そんな状態にしたいです。
8月3日(水)
今日ははじめて相互グルーミングをしているのを見た。お相手はモカちゃん。じょじょに群れに受け入れられてきてます。
親から離れた一人の若馬として、他の馬とのつきあい方を学んでいるようですね。
とても嬉しかったし、ほっとしました。
8月6日(土)
ここが気持ちいい?
心も育成しましょう。
8月10日(水)
まだまだあばらが丸見えだしキコウも薄いです。
急がずじっくり育成します。
8月11日(木)
もしこのように蹄冠が薄い白ピンクになり、膨れているようならすぐに教えてください。
これは蹄に重大なトラブルが発生しているときの兆候です。
彼の場合は重度の蹄叉腐乱。
他にも蹄葉炎のなりはじめにもこの兆候が見られることがあります。
蹄叉側溝の角質が腐敗して中の肉質が露出しています。
とても痛がりますし可哀相です。
これを修復しようとして血液が集まり、蹄冠が薄ピンクに腫れるのです。
いつも観察力をもって、小さな怪我でも毛の乱れでも見逃さないこと。そして気がついたときにひと声かけてください。
よろしくお願いします。
8月12日(金)
今日ははじめて道路を渡って川沿いまで行ってみた。
道路を渡るとき、一本目の白い線をジャンプして跨いだのでびっくり。
そういえば馬ってこういうのに用心するんだったよな、とあらためて思いました。それ以外は信頼してくれてとてもおとなしかった。
8月13日(土)
来たときからある左前肢の傷がなかなか治らない。
はやく体調が良くなりますように。いろいろ手を尽くしていますがそうそう一気に良くなったりはしないのが悔しい。
一度体調が良くなれば免疫力も上がり、ちょっとしたことでは体調を崩したりしなくなります。
8月14日(日)
今日も丸洗い手入れとたてがみシャンプー。もとの状態の悪い馬はすごく時間がかかる。
アイコンタクトをするようになってきて本当に良かったなぁと思う。
洗い場から離れようとすると「ひひーん」行かないで―と鳴く。
こっそり横目で見ながら離れるとずーっと目で追ってくれていた。すごくなついてくれたようで嬉しい。可愛いな。
8月15日(月)
最近はお散歩、馬運車、削蹄を3日間のローテーションで繰り返している。
少しずつ体調や蹄が良くなってきて、ちょっと速く歩けるようになってきた。筋肉に力が入るようになってきたり、着地が痛くなくなってきたのかも。
今日は「待て」と「おいで」をやってみた。けっこうできたね。
8月17日(水)
今日は時間がとれたので丸洗い、馬運車、削蹄、お散歩とフルコースだった。
手入れとその日のワークをすると1時間15分くらいかかる。
それを毎日毎日するのはなかなかしんどいです。子馬を育てるって大変ですね。
「内側からきれいになってきた感じですよね」と言ってもらえて嬉しかった。
今日夕飼いを食べている時に撫でようとしたら、昔の記憶かトラウマがよみがえったのか警戒心と怒りをあらわにした。丁寧に優しくアプローチして誤解を解く。
一度傷ついたトラウマを忘れるには長い時間がかかるだろう。
8月19日(金)
今日は身体が大きくなったなぁと感じた。
特に背中が昔よりも高くなった気がする。
あいかわらず肋骨が見えて太らないが、おそらく今まで抑えられていた成長に栄養がとられているのではと思った。
元気はあって食欲旺盛。
お散歩に行っても青草をもりもり食べる。
こうして見るとまだまだあどけない子馬だなぁと思う。
馬房からの行き帰りするときのリーディングがだんだん良くなってきた。すたすた歩けるようになってきたので、私も楽になってきました。
馬運車。今日はスムーズに乗り降りできた。
久しぶりに背中に鉄棒乗りをしてみたら、がっちり支えることができてびっくりした。
前回したときには私の体重を支えきれなくて、ぐらぐら&ぐにゃぐにゃしてたのに。これならそろそろ乗る馴致も始められるかも。
8月20日(土)
今日はゼッケン。
よく確認させて、背中でパタパタしてから乗せる。
一回だけそわそわしたけど、あとは大丈夫だった。
8月21日(日)
今日は腹帯体験の肢巻。
じっくりよく見せて。
けっこうすんなり。
ここから毎日だんだん少しずつ強くしていきます。
あとは背中に鉄棒乗りしたり、ぎゅーっと抱きついたりした。
8月24日(水)
今日は夕方遅くに丸洗いピカピカ手入れ。
蹄叉腐乱が良くなってきた。薬をつけるのは終了。
無口の圧力で前へ急いだり止まったりできるようになってきた。
これができれば無口で乗ったとき、こちらの気持ちをわかってもらえるようになる。
8月25日(木)
今日ははじめてプロテクターとワンコを装着した。
歩き出したときにやっぱり、わぁわぁと前肢を高く上げて、振りほどきたいみたいな歩き方をしたが、10mくらいで落ち着いた。
それからはじめての調馬索。
引き馬の延長みたいな感じで行った。意外と落ち着いていたし、あんがい丸く回れた。
周りをきょろきょろしてこちらに集中できないのは他の馬でもいつものこと。
だんだん憶えて、慣れていこうね。
8月26日(金)
今日は肢巻きをお腹に巻いての調馬索。
それから昨日は左回りだけだったが、今日ははじめての右回りも。
前半は常歩中心、後半は少し速歩もいれて。
あっちへ行ったりこっちへ行ったり。速くなったり遅くなったり。リラックスして、一定のペースで、一定の円で回れるように、早く憶えようね。
まだあばらが少し気になるかな。ここから毎日継続して、少しずつレベルアップします。
8月29日(月)
ロンジングも少しずつわかってきたようなので、今日から無口からあたりのはっきりしたロープホルターになった。
だんだん回るのが丸い円になってきた。それに速歩が続くようになってきて、最高は3周も出来た。
舌鼓と「ほー」もなんとなく理解してきた。
9月1日(木)
もう基本的にはロープを緩めたままでちゃんと後ろをついてくるようになった。
止まったら止まるもロープで抑えなくてもできるようになってきた。
9月2日(金)
今日は肢巻きにタオルがついた。
調馬索の円も、だんだん丸に近づいてきた。
指差しと舌鼓とホーも、なんとなく通じる感じ。
ちゃんとアイコンタクトして、受け入れているのがわかります。
9月3日(土)
なんだか今日はずいぶん大きくなったように感じた。
筋肉もついて歩きもしっかりして、覇気も存在感も大きくなったのかな。
今日はとても真ん丸で回ることができた。
速歩をやめそうになった時も、チッチッと優しく促すとちゃんと速歩を続ける。
両手前とも速歩が5周も続いた。しかもきちんとこちらに意識が来ている。すごい。
手入れはたてがみシャンプーで可愛がりながらきれいさっぱり。
9月5日(月)
今日はタオルをゼッケンに。ゼッケン大きく感じるなー。
もし馬が嫌がったら、何か嫌がることを自分がしているんだと思えばいいだけ。
そのうち馬が嫌がりそうなことをひとつも言わずにリード出来るようになれます。思いやりをもってよく考えて接していれば大丈夫。
可愛かったり、かっこよかったり。
子馬のような若馬のような、微妙な時期ですね。
最初の頃との表情の違いよ。
9月7日(水)
準備OK、しゅっぱーつ!
今日は速歩の合図がよく通じた。
リラックスして丸くゆっくり走れた。
駈歩に挑戦したところ、これも落ち着いて3周できた。すごい。
両手前ともOK。
はーい、帰ってきました。おつかれさま~。
ボクよくやったよ、のもぐぺろ。うん、よくできたよ。
馬と接するのに大切なのは「一貫性」です。
一貫性ある接し方が好意と信頼を作ります。
9月8日(木)
鞍になりました。
もう常歩速歩ではまーるくまーるく回ってくれるので撮影が楽になりました。
自分で考えて、一定の円で回ることを学習したようだ。
下への移行の音声扶助や、円の中央へおいでのサインも、理解して正しく反応できる。驚いた。馬が前向きに参加するようになるといろんなことが一気に好転しますね。
よーく褒める。きちんと相手の心に響くように、すごいね!って。
9月9日(金)
スーちゃんと外にお散歩。今日は大きい車が多かった。
事前に運動しないでいきなり行ったし、草刈りされていて車や自分が丸見えなのでどうかと思ったが、とてもいい子でした。
群れで行動することやお手本を見せることが大切。先導馬がいないときは自分がお手本になりましょう。
9月10日(土)
今日はゼッケンがついた。
物事はきちんと馬に聞いて、相談してから決めています。
馬が受け入れられることをすれば、受け入れてもらえます。人間のペースではなく馬のペースで進めましょう。
いつものように撫でて可愛がっていたら、あら、上になっちゃった。
なにも特別なことではないんです。とにかく馬の意見をよく聞くこと。
マッチョでタフなやり方じゃなくて、真摯で誠実なやり方が好きです。
ありがとう。
9月11日(日)
今日触れ合っていて、ようやく毛と皮膚の状態が良くなってきたのを感じた。
毛並みは光沢があって、ビロードのような触り心地。
皮膚は柔らかくてしっとりしていて、どこまでも伸びそうな感触。
馬の育成と健康管理では、新陳代謝を活発にして良いサイクルを回し、身体の中から健康にすることを目指しています。
9月12日(月)
今日は質問を受けました。
「だんだん上手くいくようになるんですか?」
「えーと、上手くいくことだけするんです」
成功体験を積み重ねるように育成します。
今できる小さなことをリラックスして十分出来るようになれば、次のこともたいてい出来るようになっています。
馬に乗っているライダーと同じで、メンタルと身体がきちんと整えば結果は後からついてきます。
9月14日(水)
蹄が良くなってきたので、歩いているときにカパン!カパン!と堅い良い音がする。
速歩が普通の馬のようにおとなしく一定の円と速度で回れるようになってきた。
駈歩の発進もよく、動きもだいぶ様になってきた。
駈歩ではまだ強く踏ん張れずに外へ流れてしまうけど。
駈歩で輪乗りを続けるって新馬にとって結構大変なことなんです。
9月15日(木)
今日はホルターにロープがついた。
けっこう気にしていた。
顔も来たときからずいぶん大きくなったみたい。
感染性結膜炎も完治して目ヤニやしょぼしょぼ感も消えました。
澄んだキレイな瞳ですね。
9月17日(土)
動きがすごく良くなってきた。
ほんの少しの運動を毎日コツコツ続けてることが大きな成果につながります。
9月21日(水)
今まで裸馬で乗ってきましたが、今日ははじめて鞍付きで乗りました。
鐙に足をかけて地面からグッと乗りましたが、ちゃんとおとなしく踏ん張ってくれました。
馬とお互いの信頼をベースにした関係を築き上げることが望ましいです。
9月23日(金)
馬を育成するために、いつも筋肉や関節が成長していくのを想像しながら接しています。
そして今、馬はどのくらいの負荷を感じているのだろうか?と考えます。身体的に、精神的に。
そうやって心と身体を育成します。
9月24日(土)
今日は馬運車に乗せて駅前まで行ってきました。
小雨だったので乗りこむとき少し滑ったけど、道中はよく踏ん張ってバランスをとっていたし、とてもおとなしかったです。
また大人の階段を一歩上がったね。
9月26日(月)
調馬索で身体をほぐしてから騎乗するのが日課になってきました。
馬にはいつも自信をつけさせるように育成します。
それはどんなに大きくなっても同じですね。
9月28日(水)
今日は今までにないくらい自分からどんどん走っていた。
健康になってきて体が軽くなってきたのかな。
駈歩も軽くてスムーズだった。
10月1日(土)
調馬索での駈歩もだいぶ元気に走れるようになってきた。
パワフルさから筋肉の発育を感じる。
今日は乗って馬場を大きく一周歩くことができた。
日毎によろめかないで歩けるようになっている。
10月3日(月)
今日は乗って速歩が少しできた。
筋肉や骨や関節が少しずつ成長するのを想像しながら、ほんの少しずつ丁寧に丁寧に出来ることを増やします。ゲームで一緒に遊ぶように。絶対に無理はさせません。絶対に急ぎません。
10月5日(水)
今日はやたら元気だった。
調馬索中、初めてキレのある動きでドビャッ!と跳ねたりしていた。元気を見せてくれて良かった。
10月6日(水)
今日は一緒に馬運車のガソリンを入れに行ってきました。おとなしくていい子でした。
肩幅が広いから横のバランスをとるのが上手なのかな、と思いました。
10月10日(月)
リーディングがとても良くできるようになってきた。
歩く、止まる、速歩。スッとできます。
2か月前がうそのよう。体力と知能がついてきたからかもね。
表情も全然変わりましたね。可愛い。
10月12日(水)
馬の育成は、健康と体力から。
調馬索で速歩でも駈歩でも何周もできるようになって、昔に比べて本当に体力ついたな~と思いました。普通になっただけでまだまだだけど。
瞳キラキラ、耳の形もかっこいいですね。
10月13日(木)
今日は速歩で馬場半周できた。
脚とブレーキの意味がようやくわかってきた感じ。
10月15日(土)
準備運動の調馬索。
騎乗しての速歩がだんだん伸びて今日は1周半できた。
目をパチパチして頭を使って考えている素振りを多く見せるようになった。良い兆候だ。
10月30日
もう普通の馬のように騎乗できるようになりました。これにて馬の鞍付け終了。
あとはハミつけ(頭絡つけ)ですがこの調子なら順調にすぐ完成しそうです。
ふくらはぎの脚で前進、バランスで減却ブレーキ。よく理解しています。
11月27日(日)
ハミと頭絡の調教も無事完了しました。
騎乗して駈歩もできるようになりました。
元気になって鼻歌でも聞こえてきそうですね。
ご覧いただきありがとうございます。
乗馬は馬の健康が大前提だと思います。馬は身体のどこにも傷や痛いところがなく、十分な筋肉と体力があること。そうすれば大人しく協力的になります。今回は健康回復と鞍付け調教を同時並行して行ったので彼も私も大変でした。日本の乗用馬や中間種はほとんど放牧中心で育っているのでこういうのはよくあることです。前半の馬の状態は見るのも辛いですが、後半からの馬体の回復ぶりや表情の変化にご注目ください。この調教を通して馬の健康の大切さも感じていただけたら幸いです。
調教については馬に信頼されるように行動することと、馬が理解しているか一つ一つ確認しながら少しずつ優しく丁寧に接することが大切です。そうすればスムーズに進みます。これは調教でも普段の騎乗でも同じです。
いつも馬がリラックスして受け入れられるようにすること、積極的に協力したくなるような調教を心がけています。
調教や騎乗で馬の気持ちとひとつになるために参考にしていただければとても嬉しいです。