ウィッシュではブリティッシュの乗馬調教を馬とのコミュニケーションを大切にしたナチュラルホースマンシップによって行っています。
馬たちは愛情のこもった一貫性のある接し方によって、人との信頼関係を築きながら育ちます。
馬の気持ちや意思を尊重します。
毎日穏やかに丁寧に接しています。
馬たちは理性と知性を育てられるように日々教育されています。
自分がされて嫌なことは馬にはしない。
自分がされたいように馬にしてあげる。
コミュニケーションを大切にすることで馬の育ち方がまったく変わり、乗馬の質がとても良くなります。
ここでは離乳後に新馬としてほとんど何も知らないでウィッシュにやってきた子馬モカちゃんの、調教の過程を日記のように記録していきたいと思います。
ウィッシュでは他の馬も同じように、ナチュラルホースマンシップやホースコミュニケーションによって育てられています。
こういう育てられ方をした馬達はどんな馬なのか、どんな乗馬をしているのか、どうぞ感じてみてください。
6月22日モカ入厩。
人間に対する興味があまりないかわりに警戒感もない。
ほぼ何も知らない状態での入厩はとても良いことだ。ありがたい。
洗い場につながれることは少し知っている。(が後にそうでもないことがわかる)
小傷と皮膚病が少し。すぐに治すことができるだろう。
同日PM
手入れを教える。
水が苦手。
引き馬でついてくることはできるけど人間のことは見てない。
無口の付け外しが苦手。
夕方
初めてのお散歩。
興味はあるが落ち着いている。
今までの環境や育てが良かったのだろう。ありがたい。
おとなしいのでついいつもの調子でバックの提案をしたら激しく抵抗し突き飛ばされた。失敗。
慎重に一歩一歩信頼を積み重ねていこう。
6月23日
初めての放牧。(以降毎日放牧)
落ち着いていて良かった。
馬同士のコミュニケーションがあまり上手でなく、大人の馬にしつけられた経験が足りない様子。これから教えてもらおうね。
手入れ時に一瞬感情的になり、洗い場から暴れて飛び出した!
陽気に淡々と説得して理解を得る。
警戒心もないけど興味もないので、今の段階では人間は空気のようなもの。
6月24日
新しい場所に対する緊張感が解けてきたので、グランドワークやリーディングを本格的に始める。
後半には理性を使った自発的な動きをとるようになってきた。
私達が馬語を話すことに気がついたようだ。
6月25日
リーディング、とても覚えるようになってきている。
グランドワーク、精度は低いがコミュニケーションが成立してきており楽しい。
触れたら譲って応じるゲーム。遊び感覚でいい感じ。
調馬索の調教へ向けた、人を中心とした右回転左回転のナチュラルホースマンシップ。右が苦手。気長に待ち、できるようになってから終了。
大変な数日間だったと思う。モカ、本当にえらいよ。
6月27日
青草や乾草を残さず食べるようになった。
人間に注意を向けるようになり、放牧場でとことこついてくる。可愛い。
ついてくるリーディングゲーム。頭の隅っこで人間を気にしているようになった。
待っているポジションゲーム。動き出すことが少なくなった。
お腹に肢巻を巻いてプレゼントはわ・た・し♪にトライ。思ったよりリラックスしていた。
馬場で遊んでいると時々「うひゃー!」ってなるが、その時は一緒に楽しんであげた。
手は怖がらないが水は怖い。普通は逆なんだけど。水なんて怖いくないよと教える手入れをした。
6月28日
今日はお腹にリボンを巻くのを昨日よりちょっときつめにしてみた。
馬場でリーディングしたり調馬索っぽくするゲームで一緒に遊ぶ。人のことをとってもよく見るようになってきた。
そのまま利根川土手にお散歩にいった。車のすぐ近くまで行ってみた。ポジションゲームと草を食べさせながら身体中を撫でまくり可愛がりまくり。
手入れのとき肢を上げることができた!まだ一瞬上げるだけだけど。
6月29日
今日はフレンドリーを中心に行った。
かなり人間を意識するようになってきた。
洗い場内でサイドパス。お腹に触れると気持ち良くすぐに横に動いてくれるようになった。メンバーさんがやっても大丈夫だった。
肢を4本とも拭けるようになった。短時間だけど。
顔を拭けるようになった!特に上半分はうっとりしてくれる。
6月30日
今日は手入れ中心にいろいろ触れ合った。
人間を意識するようになったことで、目の動きがこちらを追うように変わってきた。
今日はある行動を、いけないよと教えなければいけないシーンがあったのだが、今までのように感情で反発して身を守らねばといったようにはならなかった。
何をいわれているのか理性で考えている反応だったのでちょっと感動した。
今まではすぐ本能的+感情的な反応をしていたのだが、まず理性で考えてみようとしはじめたのは劇的な変化だと思う。
じっくり接してきてよかった。
7月1日
今日はいつもの調教+スプレーを教えた。
これから虫よけやたてがみサラサラスプレーをすることもあるので前もって教えておく。かなり早く学習した。
今日はメンバーさんにパドックの中でふれあったり、手入れをしてみてもらった。ホースコミュニケーションを理解している人なら私と同じことをしても大丈夫なことが確認できた。
スイカをいただいたのでおすそわけ。
人を信頼しはじめた表情のなんて可愛いことでしょう!
7月2日
今日は「プレゼントはわ・た・し♪」のリボンにラッピングがついた。
途中、すこし不安のサインを示していたがうまく受け入れてもらえた。
いろいろなグランドワークゲームで一緒に遊ぶ。
その後、手入れは気持ちいいと教えるワークを継続した。
今日までのことで無口をスムーズに受け入れて付けられるようになった。
それからリーディングがほぼ出来るようになった。
とても嬉しい。モカありがとう!
7月4日
すぐ横にいるときはだいたいリンクできるようになってきたので、離れてもそれが続くように少しずつ距離をあけてゆく。
腹帯とゼッケンはもう理解したようであんまり気にならないと言っていた。良かった。
それよりも若干右手前でリンクとリラックスが失われやすいので、淡々と学習のチャンスを与えようと思う。
手入れはやっと全身どこでもブラシをかけられるようになった。
メンバーさんも顔拭きをしてみたが、こういう穏やかでフレッシュな馬に接することは普段気がつかないことを教えてくれて、とても勉強になるようだった。
馬の相互グルーミング行動。
気の合う馬同士がやる、仲のいい証拠です。覚えておいてくださいね。
ふふふ、可愛い。
モカはもう放牧でも馬房でも人懐っこく近づいて来てくれます。ありがとう。
(つかまらない馬や動かない馬を力でなんとかしようとしても、馬とは仲良くなれません。それは私達の目指す乗馬ではないよね)
乗馬の原動力は「人が好きだ」ということです。
自分が馬になったつもりで、馬同士の相互グルーミングを行いましょう。
7月5日
今日は、だんだん人間のこと信頼してくれるようになってきたなぁと感じた。
どんな馬でも、繊細な馬は特に、信頼や納得で人間を本心から受け入れていることはとても大切なこと。
だから初めて人が乗ってもこうしてリラックスして立ってます。
このままちょっと歩くこともできました。
7月5日の2
昔ながらの調教法では、一人が馬を押さえ、一人が重みに慣らすということをします。
でも我慢させつつ嫌々慣れた馬と、信頼と納得で受け入れた馬では、経験上、将来にわたって違いが出ます。
私は信頼と納得の馬の方がいいです。
そのため「人間は馬に快適を提供する」という約束を必ず守ります。
7月6日
はい、乗れました(^^)
初めての重みによろよろ。
でもちゃんとリラックスして身を任せてくれました。
人と馬がお互いを尊重して、ハッピーな関係を築けるといいですね。
信頼してくれているこの気持ちに応えたい、と強く思います。
7月7日
間違わないでほしいのですが、調教が早いなんてことはぜんぜんすごいことではありません。
むしろどこかにしわ寄せが来ることが多いです。
押し付けはせず提案して、ただ馬のペースに任せます。
100頭馬がいれば100頭の性格や事情があります。
大切なのは馬の話に真剣に耳を傾け、馬の気持ちに寄り添い、物事を進めることだと思います。
物言わぬ相手の気持ちを、ああでもないこうでもないと考えて、試行錯誤したり、少しずつ信頼を築いたり、理解を深め合ったりすることは、なんて素晴らしいことだろう。
皆さんや馬達により良い環境を提供できるようこれからも頑張ります。
7月8日
今日はいろんな人がかわるがわるパドックで一緒に遊んだり、丹念に手入れをしたりした。全員に一貫性があるよう気を付けている。
放牧で馬同士いろんな付き合いをしたり、いろんな人と付き合うことで、モカも最近コミュニケーション上手になってきたと思う。
背中に手を置いて、軽く押した方に動いてもらうゲームをした。
問いかけ、反応、常に一言ずつキャッチボール。
乗馬を習う多くの人が馬の気持ちに耳を傾けるように教えてもらえればいいのにと思う。
相手の反応に耳を澄ませば、自分がどういう心持ちでどうしたらいいかは、馬が教えてくれます。
7月9日
今日はグランドワーク、高い位置からのフレンドリー、鞍を使ったゲームなど。
とても楽しそう!
いつもニコニコ笑顔で話しながら、馬にも語りかけながらやっているので、馬もとても安心している。
藤沢和雄調教師の「競走馬私論」にも書いてあったが、まさに”happy peaple make happy horse”だ。
”幸せな人が幸せな馬を作る”
それと同時に私は、”幸せな馬が人を幸せにする”こともあると思う。
そして今ハッピーじゃなくても愛情で、または自分が傷ついた経験から、傷つけてしまった反省から、ハッピーな馬を作ることは可能だと思うのです。
7月11日
今日は乗馬歴2か月半の人にグランドワークでモカと一緒に遊んでもらった。
馬も人も共に成長するといいな。
鞍ゲームをもう少し進めた。馬とのコミュニケーション力が高いことはすべてに生きてくる。
ブラシをかけたり顔をタオルで拭いたりすると、うっとりしてくれるようになってきた。手入れの時間がいかに信頼関係を作るのに大切かとしみじみ思った。
7月12日
今日は雨まじりでゴーゴーと強風の一日。以前ならそわそわして仕方ないような状況だが、今日は後ろについてとてもリラックスしていた。信頼で身を寄せてくれてとても嬉しい。
散歩したりグランドワークしたり、ゆるーく長く一緒に遊んだ。
運んでもらったり、上からハグしたり。可愛い可愛い。
7月13日
今日は鞍をつけて初めて腹帯を締めてみた。けっこうきつく締めたのだが何でもなかった。そのまま散歩や調馬索をした。想定しうることはすべて理解と経験をさせてあるので大丈夫なのです。一見あっけなく出来てしまったようなことでも、それは毎日毎日の積み重ねがあってこそ。レンガをていねいに一個一個積み上げていく感じです。
手入れもリラックスして身を任せてくれる。
もう顔にブラシをかけても後肢の先にブラシをかけても、微動だにしない。
7月14日
今日は鐙を下げていろんなワーク。何かあるとまず考えてみようとする馬になってきた。当初の感情的な行動が嘘みたいだ。自分を律することのできる馬に育ってほしい。それには周りの人間が楽しく自分を律することができなければ。
愛情表現やハグって大切なんだよって話をした。
この写真には馬と人との絆がよくでていますね。
タオルでの顔拭きで可愛さにメロメロになる人が続出(^^)
7月15日
今日は鞍をつけての騎乗。落ち着いて人を乗せて、歩いたり止まったりできた。
脚・方向変換・ブレーキなどを教えたが、リラックスした状態なので覚えるのがとても早かった。
調馬索では答えを見つけるまで少し時間がかかって焦る素振りになった。正解とそこへの道のりを用意したうえでの軽い混乱状態は悪いことではないと思う。軽微な失敗は人も馬も成長させてくれる。
もし上手く出来なくても、自信を失わせないたくさんの愛情があるから大丈夫。
馬の苦しそうな表情や元気のない表情は見るよりも、いきいきとして甘えてくる表情を見たいよね。
7月16日 AM
今日の午前中は、利根川土手の外乗に同行。
頻繁に外へ連れ出すことで、環境の変化に対する対応力を育てていく。
世界は広いぞ、一緒に冒険しよう!
風が強いのも車も平気。
のんびり青草を食べていい感じだった。
馬に好かれるためには?馬の身になって本気でいろいろ考えること。
7月16日 PM
今日のロンジングはとてもリラックスしていて良かった。
騎乗は徐々に乗り手へコントロールを移譲してサイン化を作っていく。
馬と良好な関係を築けているので、脚や拳に対してもスムーズな反応でとても良かったと思う。
肢の手入れがおとなしくリラックスしてできるようになってきた。
7月16日のPMの2
放牧風景。
なごみますね。
7月18日
今日はグランドワークと騎乗。慎重に、かつ大胆に進めていく。常に馬に問いかけて、馬自身が考えるようにする。
常歩、速歩、停止、OK!馬をできるだけリラックスした状態に置いておく。冷静であればよく考える馬になります。馬も人間も感情が理性を超えないことが大切です。
嫌がることや我慢を強いておきながら信頼関係を築いていきたいというのは何か違うと思う。信頼関係は尊重や率直さがあってこそと思います。
騎乗ゲーム終了後のおふざけ。3週間前まで水や無口を嫌がり、暴れて洗い場を飛び出す何も知らない馬だったんだよな~。
みんなでモカのこの気持ちに応えたいですね。
7月19日
今日のモカちゃんは調馬索がとても上手く出来た。
騎乗も、発進、回転、停止が日々上達してきて成長を感じます。
ちなみに「人が乗りこむときは動かないこと」というのも最初から教えています。
みんなで和気あいあい、とてもいい雰囲気だった。
7月20日
騎乗のリズムが一定になってきていい感じ。
身体の使い方が身についてきたみたいだ。
信頼を築くように調教すると馬がリラックスしているので、緊張感や警戒心がありません。
だからこんなことをしても平気。やっほーい!
7月21日
今日は生まれて初めての人を乗せた駈歩!
ふわふわで気持ちよかった。
こればっかりはやってみないとわかんないですからね。
良い反応と良い乗り心地で、本当に良かった。
7月21日の2
パッティングトレーニング。
服を脱いだり、撫でたり、振ってみたり。
馬の様子に気を配って、ちゃんと出来たときがとても楽しい。
7月22日
今日でモカちゃんが来てちょうど1ヶ月。
私が馬だったら、覚える時間や考える時間が欲しい。だから短時間で無理やり慣らしたり、なにかを強制したりというやり方はしません。
ひとつひとつ馬が受け入れたのを確認しながら一緒の時間をすごします。馬の了解を得ることに心を配り、嫌がることはしません。だって自分もそうしてほしいから。
今日はTくん騎乗でKくんと一緒に広い馬場全部を使って歩いたり走ったりした。
二人で「よ~しよし!」と撫でまわしながら歩いたのがとてもハッピーだったと言っていた。
きっと馬もハッピーだったと思うよ。
7月23日
今日は調馬索で音声扶助を理解してきていることを確認できた。たくさん話しかけている効果ですね。馬の耳と頭と体がつながって、やったね!って感じ。
今日はモカの人生(馬生?)2回目の人を乗せた駈歩。何だこの反応の素直さと乗り心地の良さは!たくさんの馬を育てながら調教してきて、信頼関係の素晴らしさを本当に実感しています。
7月23日の2
いまのところずっとホルターライディングだけどぜんぜんOK。日を追うごとに曲がる止まるがどんどんスムーズになってきている。もうこのままハミなしでもいいんじゃないかっていうくらい。
何でもできるようにしたいからもちろん頭絡とハミもちゃんと教えます。
将来競技会に出る日を想像するととても楽しみだな~。
7月25日
今日は移行、減却を中心に3種の歩度。
後半はすこし前肢旋回や後肢旋回などの単独脚ゲームなど。
写真は駈歩後の愛撫。
美しい馬ですね。
7月25日の2
意外な反応を発見。
水たまりをスッと避けたので試しに向かってみたところ、かなり躊躇して入りたがらなかった。
学習の良いチャンスと思いじっくり時間をかける。
4、5回通って自信を持ったようだった。
信頼して通ってくれてありがとう。とても嬉しかったよ。
7月26日
今日はリラックス常歩中心。単独脚のゲーム多めと水たまり通過を主に行う。
水たまりはどの方向からでもリズムを崩すことなく、ためらわず通過できるようになった。勇気に拍手!
肢の手入れがとても良くなった。4本とも提案通り上げられるし、上げたまましばらく任せてくれる。
素晴らしい成長ぶりだなぁ。
7月27日
今日はパドックでのんびり語り合ったり、ゆっくりする日。
最近よく頑張ったし、昨日今日はとても暑かったからね。
こういうぽかーとした時間が、学習吸収したことを整理消化する時間になると思います。
パドックを修理してるとき隣で興味深そうにのぞきこんだり、ずっと隣にいてくれて嬉しかったなぁ。
7月28日
今日は基本運動と脚ゲーム。
リラックスしていながらも反応が少しずつ早くなってきていて良い感じ。
駈歩から減却をかけたときに、シュウ!っとおさまったのにはびっくり。
すごーい!
感動しました。
大切なことですが、すべての運動や教育は、えっもう終わり?というくらいのほんの短時間しかしていません。5分もしないくらいです。
一緒に楽しい時間をすごして、頭や神経を育てることを大切にしています。イメージは中学生の楽しい部活。
身体に無理はさせませんし、絶対に大人の馬と同じ時間をかけたりはしません。跳ねたり走ったりするような嫌がることも要求しません。嫌がっているようでは調教成功とはいえませんよね。
私達は馬に、人間を乗せるのは何でもないこと、人間と一緒に運動するのは楽しいこと、そう思ってもらいたいのです。
7月29日
今日も同じように馬と遊ぶ。
馬同士、仲が良いことはとても良いこと。
乗ってる人も安心できるしね。
みんないい笑顔だね!
7月30日
しばらくの間頭絡をつけることを学習してもらったので、いよいよ運動の時にもつけてみることに。
もちろん馬とのコミュニケーションは今まで通りホルターとロープの方で行うので、モカちゃんはハミを味わうだけです。
丁寧に教えていくからね。
ハミや腹帯に馴らすとき、従来から行われているようにしばらく付けっぱなしにして諦めるまでほっておく方法もありますが、でも私は諦めて仕方なく馴れるよりきちんと理解納得してもらう方法のほうが好きです。
こうしてひとつひとつ馬の理解を得ながら共に進むことで、馬は抵抗するそぶりを一度も出さず、自然なことのように受け入れて成長します。
将来、自信をもった思いやりのあるパートナーになってほしいですからね。
8月1日
今日はホルターとロープを無くして、普通に頭絡だけで騎乗してみた。
手綱やハミはほとんど使わないですみました。
今まで脚だけで右へ曲がったり左へ曲がったり、バランスだけで止まったりすることを教えてきたので、それがこういう時にも役に立ちます。
なかなか吸収が早いけど、出来た時こそ慎重に丁寧に。
偶然出来ただけかもしれないから。
モカちゃん今日もおつかれさま。
8月2日
今日は3頭並列で歩いたり、横木をまたいだりした。
モカちゃんは3頭横並びで歩くのは初めてだったけどとても上手にできた。
モカに気を配るよりも両隣のライダーに合わせ方を説明をするのが忙しいくらいだった。
横木通過は地上30cmに浮かした高さまでリラックスしてまたいで通ることができた。
今日もいろんな経験して楽しかったかな?おつかれさま。
8月3日
今日は拍車を付けたり、頭絡を付けての初めての駈歩。
拍車についてはあっという間に学習してしまい、拍子抜けするほど全然何ともなかった。お~。
いままで無口だけでたくさん駈歩してきたが、今日は頭絡のみで初めて駈歩をしてみた。
脚で行きたい方へ回転できるし、あいかわらずバランスでブレーキかけるとシュウとおさまるのでとても楽。あ、ハミを教えてるんだった。途中で思い出して苦笑い。
仲良したちの井戸端会議。
今日もありがとう!
8月4日
いつものブラブラ長手綱での常歩や速歩、単独脚や旋回、二蹄跡などを行う。
良好良好。なんてことなく楽々こなしている。
たくさん話しかけ、愛情をかけ、当たり前のことを当たり前のように行う。わかっていただけると嬉しいです。
可愛いモカちゃんが頭絡をつけるととても凛々しくなりますね。
8月5日
今日はホースコミュニケーションのグランドワーク。
他の中間種とメンバーさんと一緒に、いろいろなトレーニングゲームをした。おとなしく物覚えよくできた様子。
あと毎週行っている体測の日。およそ一ヶ月半で体高が約3センチ、体長が約4センチ、胴囲が約4センチ、管囲が0.5センチ大きくなりました。
馬に乗るすべての人にとって、乗馬とは馬育て。
馬の心と身体つくりです。
8月6日
今日はこの夏初めての雷雨。
乗ろうとしていたところだったけど雷がなかなかおさまらなかったので残念だけどあきらめることに。せっかく涼しかったのになぁ。
最近、毛艶が良くなってきてよく毛が抜ける。体調が上がって体質が変わってきたのかも。丹念にブラシがけ。
しっぽもサラサラスプレーできれいに梳かした。
他の馬と同じように夏バテ知らずですごしてね。
8月8日
今日はついに初めての外乗!
安定した落ち着きっぷりで、とても安心していられた。
ここまで親和がとれて信頼関係が築けたら、ひとまず一段落ついたと言っていいでしょう。
いろいろあっても、紆余曲折あっても、一緒に経験したことを共に糧にして。
結果も大事だけど、成長の過程、旅の過程だってとても大切。
多くの人に味わってほしい。
馬を幸せにした時の喜びや、馬の魂と結びついた時の感動を。
8月9日
写真は昨日のひとコマ。
今日は蹄跡や図形運動。
新人を乗せて馬とライダー両方のチェック。上手くいかないこともあったけどお互いいい勉強になったと思う。
いつも調教自体はえっ?というくらい短い時間です。
一緒に「遊んで」いるなかで成長しているのであって、「働かせて」いるわけではないのです。(馴れるまでとか疲れるまでを目安にすると馬は人間と一緒にいるのを嫌いになります)
馬と共に時間を過ごしながら触れ合いやゲームをして、遊びながら社会経験をさせています。
中学生の楽しい部活みたいなものです。身体にも心にも無理はさせません。
馬には「人といると楽しい!」と思ってほしいのです。
馬の身体の神経や脳の神経を作る調教が、私は好きで得意です。
8月10日
フラットワークで約束事を確認したり、外乗行ったり、バトンゲームしたり。
あと毎日少しずつ馬運車のトレーニングゲーム。
まず先輩たちがやって見せて、モカちゃんもチャレンジ。
みんなが「頑張れ~」って応援しているみたいでほほえましいです。
8月11日
モカちゃんも他の馬同様「駈歩でバトンをパスパスパス!ゲーム」
こちらは長鞭で。
常歩、速歩、駈歩でも上手にできた。
普通の馬だったら何か投げつけられたら横っ飛びしてしまうところだけど、馬の気持ちを尊重して理解を得ればモカのような若馬でもそうはなりません。理性と学習の力のすごさがわかります。
これが馬とのコミュニケーションの可能性です。
私たちが思いやりを持って馬に敬意を払えば、その馬の才能を開花させることができます。
8月12日
今日は違う馬と組んで速歩しながらパスゲーム。
この写真だけ見ると1ヶ月前まで人が乗ったことのない馬だったとは思えませんね。
馬が人間を信頼しているかどうか。馬達は愛情が正しいかどうか態度で示してくれます。
削蹄。とてもおとなしかったし立っているときのバランスも良かった。
じっとしていられなくて洗い場で暴れたのが嘘のよう。
こんな顔して待っててくれたんだね、ありがとう。
8月13日
今日は軽めの基本フラットワーク。
なんとも気持良さそうな顔!
馬に乗る=人が馬のリーダーになる=リーダーは群れに快適を提供する。
美味しい草場や水飲み場へ導き、身を脅かす外敵の不安から守り、健康を保てるよう配慮する。これがウィッシュの考え方です。
「北風と太陽」というイソップ物語を知っていますか?私は太陽のやり方で馬に接したいのです。
8月15日
今日は外乗。
利根川沿いをのんびり運動してきた。
とてもクレバーで落ち着いていた。
風が気持ち良かったです。
8月16日
脚と減却の反復確認、前肢旋回、後肢旋回、肩を内へなどの調教をした。
写真は偶然撮れたもの。ここまでのハミ受けや収縮はまだ要求していませんが、自然にこういう体勢やフレームが取れるということは将来がすごく楽しみですね。
今の段階で大切なのはごく軽いコンタクトでハミを味わうことと、フリーにしてもリラックスして一定のペースとバランスを保つこと。
どちらもできるようになってきました。
8月17日
いつものフラットワークの後、利根川の土手へ単独で外乗。
単独で行くということは同僚馬がいないので、人間を信頼していることがとても重要。
人間を信じることのできる仲間であり、また頼れるリーダーだと思っていれば、このように落ち着いていることが容易になります。
もうほとんど調教のできた馬と同じ感覚で乗れる。とても乗りやすい。新馬の段階はもう卒業といっていいかな。
小首を傾げた感じが可愛いね。
この一か月半、本当にえらかったよ!ありがとう!
これからも一緒に成長しようね。
8月18日
そろそろ初期調教過程も終了かなと思ったのですが、今日は初の4頭外乗に行ったのでその様子を。
モカちゃんは無口で行ったけどとてもおとなしく、信頼してくれていた。
先輩3頭の仲間入りできたことがとても嬉しい。
馬とコミュニケーションを重ねて、心の絆を作ってゆく乗馬をしたいと思います。
8月20日
やっぱり放牧とか外乗は馬のリフレッシュにとてもいいよね~ってことで今日も外乗。
今日メンバーさんと話したんですが、結局自分がその馬をどうしたいかということが大切ですよね。
馬と真剣につきあうのは楽しいですね!
9月3日
こんにちは!
ふふふ。
モカちゃん元気です。
9月21日
馬の調教は毎日コツコツ、積み重ね。
まぁ私もモカも調教しよう調教されてるという気持ちはあまりなくて、日々いろんな経験値をちょっとずつ増やしている感じです。
どんな馬でも、すごしているすべての時間を馬は学習していきますからね。
一年後。
競技会に初出場しました。
乗馬は馬が主役。
すべては馬のために。
日頃からそういう気持ちが大切ですね。
私達は馬と一緒に楽しみたいのです。
第34回キャロットステークス馬術大会
JEF馬場馬術A2課目
モカ
優勝
ビギナーズジャンプ
モカ
優勝
JEF馬場馬術A3課目
モカ
3位入賞
低障害飛越
モカ
優勝
そして愛情は続く…。